登進研バックアップセミナー26・講演内容 | セミナーのご案内 | 登校拒否の子どもたちの進路を考える研究会

電話相談 (10時〜16時)はこちらから 03-3370-4078

セミナーのお申し込み

登進研公式サイトトップ > セミナーのご案内 > 登進研バックアップセミナー26・講演内容

セミナーのご案内

登進研バックアップセミナー26・講演内容

「登校刺激はいけない」は本当か?

講師:小澤美代子(千葉大学大学院教授)

どんなことがあっても希望を失わないで

お子さんが不登校になると、目の前が真っ暗になったり、将来が閉ざされてしまったかのように感じるかもしれません。長く教育相談に携わってきた経験からいうと、不登校状態から短期間で元気になるお子さんもいますが、8年くらいかかったお子さんもいました。それでも、今では大学生になって頑張っています。

現在はたいへんな思いをされていることと思いますが、親が気持ちのどこかで「きっと大丈夫」という、いいイメージをもってあげることが、お子さんにとって何よりの励みになります。親が「やがて状況は明るくなる」と思っていると、お子さんの気持ちもそれに応えるように変わっていくことが多いのです。ギリギリまであきらめないことです。いちばん身近なところで支えてくれる人があきらめてしまうと、お子さんにとって心の支えがなくなってしまうので、どんなことがあっても希望を失わないことが大切です。

高校卒業をかけて強力な登校刺激をしたケース

本日のテーマは、『「登校刺激はいけない」は本当か?』ですが、結論から申し上げると、登校刺激はやってはいけないときもあるけれど、その一方で、登校刺激をしてもいいとき、しなければいけないときもあると思っています。

ではなぜ、「登校刺激をしてはいけない」ということが、こんなにも広まってきたのでしょうか。たとえば、みなさんも不登校関係の本を読んだりすることがあると思いますが、一般的に医療関係の方が書いた本では、「登校刺激はいけいない」と主張しているようです。医療関係の方たちは、本人の状態が重くて、かなり落ち込んでいて、ひきこもっていたり、気持ちが不安定で荒れた状態にあるお子さんを診察することが多いので、たいてい「登校刺激をしないで、本人が元気になるまで待ちましょう」と言うようです。

しかし、私が勤務していた教育センターや自治体の教育相談機関などでは、薬を服用しなければいけないとか、まったく“触れられない”ほど重い症状のお子さんを扱うケースは少ないのです。そのため、かなり厳しい状況であっても、本人の将来を考えて強烈に背中を押す場合もあります。

たとえば、卒業をひかえた高校3年生で、本人はヨレヨレの状態だったのですが、あと1週間だけ頑張って出席すれば卒業できそうなケースがありました。本人も「どうしても卒業したい」というので、私たちは学校の先生方とサポート体制をつくって、卒業に向けて背中を押したことがありました。

その際、事前に親御さんに連絡をとり、今休ませれば精神的にはプラスかもしれないが、この1週間を休むことによって、高校生活をもう1年間やらなければいけないし、それは本人にとってものすごく負担かもしれない。また、来年、本人の状態がどうなっているかもわからないことなどを伝え、理解を得たところでサポートを始めました。

まず、お母さんには朝ふとんから引きずり出してでも本人を起こしてもらい、タクシーに乗せるとか、何としてでも学校に連れてきてくださいと頼みました。また、養護教諭や担任の先生には、朝は必ず玄関に迎えに行き、教室まで連れていき、本人が出席しなくてもいい授業のときは、保健室で休ませてあげてくださいとお願いしました。さらに、教務担当の先生に連絡し、1~2時間の単位不足の授業については補講でフォローしてもらえるかどうかも打診しながら進めていきました。  このように、本当にせっぱつまった状態のときは、ギリギリの線でこれ以上ないと思える登校刺激をしていく場合もあります。

再登校の場合は、家に帰ってきたときの様子で対応を決める

一方で、状況によっては登校刺激をしてはいけない場合もあります。
たとえば、学校の先生から「A君が何カ月ぶりに学校に来たんですが、とても元気そうで給食もみんなと一緒に食べていたので、もう大丈夫ですよね?」といった相談を受けることがあります。現象だけをみると、そのまま登校を続けられるのではと判断しがちですが、A君のここ数週間の経緯をみると、それは無理だろうとわかるのです。おそらく本人は精一杯頑張って、何カ月ぶりに学校に行って、ありったけのエネルギーを使い果たす感じで一日を過ごしたんじゃないでしょうか。こういう場合は、無理はできないと判断します。

子どもが再登校を始めたときは、学校から家に帰ってきたときの様子が、次の対応を考えるためのポイントになります。
たとえば、帰ってくるなり自分の部屋のドアをバタンと閉めてふとんにもぐりこみ、晩ごはんも食べないような状態なら、続けて登校するのはちょっと無理かもしれません。
逆に、けっこうスッキリした顔で帰ってきて、テレビを見たり、食事もとれれば続くかもしれません。

ただし、表面的なことだけで判断するのは非常に危険です。とくに、学校での状態だけでなく、家に帰ってきたときの状態をあわせて、今後も行けるかどうかの判断をすることが大切です。学校の先生からすると「あんなに元気だったんだから、明日も登校してくるに違いない」と思うような状態でも、表面的なことと内面的な問題にはズレがあります。

このように状況に応じて最大限の登校刺激をしてみたり、それ以上は無理と判断してストップをかけたりするわけで、単純に「登校刺激はいけない」という言葉だけを鵜呑みにしないほうがいいのではないかと思います。

もちろん家庭でできることには限界がありますから、やはり学校がある程度、動いてくれないと難しい側面があります。ところが、学校の先生方は、登校刺激をして状況を悪化させたら困ると考え、手を引いてしまう場合が多いのです。したがって、家庭のなかで少し元気になってきたら、学校にも連絡をとり、近況を報告して学校側ができることをやってもらうことも必要になってくるでしょう。

登校刺激へのリアクションで、その子の状態がわかる

ひとくちに登校刺激といっても、非常に幅があります。「学校に行きなさい」と押し出すことだけが登校刺激ではありません。登校刺激の強さを数量化するとしたら、0から100くらいまで幅があるように思います。

登校刺激のもっとも軽いものは、学校の話題をチラッと出してみるといったことです。たとえば、「今頃って期末テストの時期だっけ?」と聞いたりしてみる。それに対するリアクションによって、ある程度、お子さんの状態が見えてきます。

状態があまりよくないと、近くにあるものをけとばして、自分の部屋に閉じこもってしまうかもしれません。黙って聞いているようなら、かなり元気になってきているはずです。もう少し元気な場合には、「どうしてそんなこと聞くの? 学校に行かせたいんでしょう?」と言ったりします。
このように、こちらから登校刺激というかたちでアクションを起こすことによって、お子さんがどういう状態なのかがわかってくることがあります。

みなさんは、基本的には登校刺激をしないようにと言われているでしょうから、「学校に行かないの?」というようなことは口にしないで我慢しているのではないでしょうか。でも、そういう気持ちはどこかで出てしまいます。思わずため息をつくとか、みけんにシワが寄るとか……。そんなちょっとした登校刺激でも、不登校の初期の頃で、気持ちが不安定なときは、子どもはとても嫌なのです。ところが、かなり元気になってきて、遊びに出かけたり、買い物に行けるようになると、その程度の登校刺激にはめげなくなります。

以上のように、かすかに学校のことを臭わせる0か1程度の登校刺激から、ふとんから引きずり出して、タクシーで学校に送っていくといった最高レベルまで、登校刺激には非常に幅があると考えておいたほうがいいでしょう。

登校刺激のコツは小出しにすること

登校刺激のコツとして大事なのは、小出しにすることです。
たとえば、学校のことをお子さんに話そうと思ったら、多くのことは話さないで、「学校の前のイチョウも色づいている頃かしら?」といった程度に抑えておいて、そのときのお子さんの反応を見てみることです。その話題にお子さんが乗ってくれば、50%以上は回復していると見ていいでしょう。

逆に、そうした軽い登校刺激に対して過剰なリアクションがあった場合に、親御さんが驚いてしまって、その後ずっとはれものに触るようにかかわるのは望ましくありません。短くても1週間、長くても1カ月くらいしたら、また違った登校刺激をやってみることが大切です。あまり時間を空けてしまうと、お子さんのほうも動くチャンスを失ってしまいます。

不登校のために家の中だけで生活しているとはいえ、子どもたちは日々成長していますから、どこかでターニングポイントがあるわけです。それがいちばんよく見えるのは親です。
そのことを理解したうえで、そろそろ学校の話題を出してもいいかなと思ったときには、ちょっと試しに言ってみたらどうでしょうか。たとえ5回も6回も拒絶されたとしても、7回目には肯定的に反応するかもしれません。そうした根気強さが、身近にいる親御さんには必要になってくると思います。

中学3年生はいちばん動きやすい時期

私の経験からすると、中学3年生がもっとも登校刺激に対して敏感に反応し、動こうとします。良くも悪くも中学3年生は、動こうとせざるをえない状況にあると言えるかもしれません。現在、わが国の高校進学率は約98%になっていますから、ほとんどのお子さんは高校に行きたいと思っています。

そのなかで、不登校の子どもたちは「自分は高校に行けるのだろうか?」と不安に思っています。たとえば、中1頃から2年間も学校に行っていないお子さんは「自分はもう高校なんて行けない」と思いこんでいることが多いのです。しかし、そういうお子さんでも12月頃になると、頭の中になんとなく高校のイメージが浮かんできます。それを上手にきっかけにしていくことがポイントです。

つまり、子どものなかに高校というイメージがわいてくると具体的な目標が出てくるので少し頑張れるのです。その頑張れる状況を上手に活かしながら、もう一歩先に進めていくわけです。学校は嫌なんだけど、塾には行けるとか、家庭教師なら大丈夫といった新たな状況が生まれやすいときです。それらがうまく高校受験に結びついていくケースもめずらしくありません。
そういう意味で、中学3年生は大きな節目を迎えて大変な時期ではありますが、いちばん動きはじめるきっかけになりやすい時期でもあるのです。

登校刺激は薬のようなもの

登校刺激は「薬」のようなものです。ですから、誤った使い方をすると副作用のような害が出てきます。たとえば、本人が動けないときに無理やり引っぱったりすると、お子さんの心に傷を残すことにもなりかねません。それが長期化という悪い方向に作用することもあります。しかし、的確な使い方をすれば、それなりの効果があらわれてきます。

何よりもその子の状況に合った使い方をすること、本人の気持ちを聞いたり、確認しながら行うことが重要です。登校刺激について、よく親御さんも教師も失敗することが多いのは「受験させよう」とか「3学期から登校させよう」などと結論を先にもってくるときです。大切なのは、登校刺激を小出しにして、一歩ずつ進めていくことです。

本人が嫌がった場合は、その登校刺激を素早く引っ込めることが大事。親としては、せっかく勇気を出して登校刺激をしてみたのだから、何か前向きな返事をもらわないと…と思うかもしれませんが、拒絶されたときには「ごめん!」と謝って、その話はすぐに引っ込めることが大切です。

初期の対応は、気持ちの安定を最優先する

子どもが再び動きはじめるまでのプロセスは、「初期」「中期」「後期」という3つの段階に分けられるように思います。 まず、「初期」の特徴のひとつは、頭痛、腹痛、下痢など、体の症状が出やすいこと。
最近の子どもは、人とのかかわりのなかでいろいろなことを学んでいく経験が少ないために、自分の心の大事な部分を守る膜のようなものが非常に薄く、ちょっとした他人の言葉や対応によって傷つき、それが身体症状として出やすくなっているような気がします。本当は心で悩まなければいけないことを、体で悩んでしまうことが多くなっているのかもしれません。

さらに、「初期」の特徴として多いのは、夜眠れない、食欲がない、昼夜逆転。
また、この時期の子どもたちは、「学校に行かなければいけない」「自分はどうして学校にいけないんだろう」と悩み、精神的につらいことが多いので、気持ちも不安定になり、ちょっとしたことで攻撃的になったりします。

こうした「初期」の期間は、2~3週間で通りすぎてしまう場合もあれば、1年くらいかかる場合もあります。
この最初の数週間は、親は言いたいことを我慢して、本人を傷つけるようなことは言わないように気をつけ、登校刺激はあまりしないほうがいい時期です。とにかくお子さんの気持ちが安定するように配慮することが最優先。すると、やがてスムーズとはいかなくても、次の「中期」に移っていきます。

中期には、興味をもったことを自由にやらせてあげる

「中期」になると、家の中では元気になり、家族と一緒に食事をするようになったり、テレビも一緒に見るようになります。そして、少しずつ遊びや趣味などに関心が向くようになってきます。この時期に大切なのは、エネルギーをためることです。

不登校の子どもたちは、ほとんどの場合、エネルギー不足の状態におちいっています。車でいうとガス欠で、エンジンがかからない状態と考えるとわかりやすいと思います。とにかくガソリンを入れてやらないことには、エンジンが回転しません。

「中期」の特徴は、とりあえず元気になって動きはじめるものの、学校に関係することは一切やらず、遊びや趣味などに夢中になったりすることです。たとえば、インターネットでゲームばかりやったり、マンガを描きはじめたりします。

ある男子高校生は、夏休み中、毎日釣りばかりしていました。その送り迎えをお母さんがやっていたのですが、「こんなことばかりやっていて大丈夫か」ととても心配だったそうです。ところが、その子は釣りをしながらエネルギーをためていたのです。そして、夏休み明けにはスーッと学校に行きはじめました。自分の好きなことを続けながらエネルギーを少しずつためていき、その結果、夏休み明けに満タンになり、学校へ行こう、となったのでしょう。

親から見れば、どうしてこんな遊びに夢中になるんだろうと思うけれども、そうした時間のなかで子どもはエネルギーをためているのです。それが学校とは一切関係のない釣りだったり、アイドルのコンサートだったり、映画だったりするわけです。

親として大切なのは、そうした遊びに夢中になることを気持ちよくやらせてあげること。たとえば、GLAYのコンサートに行くと言ったときに、「そんな時間があったらドリルの1枚でもやったほうがいいんじゃないの」と言おうものなら、もとの木阿弥です。せっかくたまったエネルギーがマイナスになりかねません。

プラスのエネルギーを増やすためには、くだらないと思うことでも、それに興味をもったらやらせてあげるようにしてください。そして、お子さんが興味をもったことに寄り添い、関心をもってあげることが大切です。
そのことによって、お子さんは、お母さんお父さんは自分に関心をもってくれているんだと感じます。子どもたちは日々成長していますから、その成長を支援するようなかかわりができれば、自然と動き出していくはずです。

後期になると、具体的な方向性のある動きがでてくる

「後期」になると、かなり具体的な動きが出てきます。高校生くらいになると「アルバイトでもやろうかな」と言い出すこともあります。
アルバイトには、とても重要な意味があります。ひとつは、自分の仕事がお金という目に見えるかたちで適正に評価されることが、子どもにとって大きなプラスのエネルギーになるということ。それに付随して、社会にふれる、他人とかかわる、規則正しい生活を送るようになるといったことを含めて、自分の存在感を確認できる格好の機会になるのです。

こうした時間を経て、学校に戻るか、あるいは別の道を見つけて勉強しようか…といった動きを示しはじめます。小学生の場合には、校外学習や遠足などの行事が学校に戻るきっかけになることがあります。中学生なら進路選択の時期に合わせて動きはじめたり、高校生なら自分の将来を考えて動き出すという特徴があります。
これが次のステップに向けた動きとして出てくる「後期」の特徴で、具体的な方向性のある動きをみせるのが「中期」との大きな違いです。

斜め後ろにいて転ばないように見守る

子どもが動き出したら、親御さんにはできるだけ応援をしてほしいのですが、その加減が難しい。
たとえば、少し元気になったところで、お子さんが「塾に行こうかな」とか「家庭教師をつけてもらおうかな」とポロッと言ったとします。そのときに、親御さんが「それ!チャンスだ」と腕まくりして万全の準備を整えてしまうと、子どもにはまだそんなパワーはありませんから、そうした対応が大きなプレッシャーになってしまうことがあります。
ここで大切なのは、お子さんの前に出て引っぱろうとしないこと。また、横に並んで歩くというよりも、斜め後ろに控えているような感じで、転ばないように見守ってあげることが望ましいでしょう。そして、転びそうになったら何げなく手を差しのべてあげる。そんな距離のとり方がベストかなと思います。

もうひとつ大事なことは、たとえば、お子さんが動きだして、高校受験に向けて準備を始めたとします。そのとき、「あなたの進路なんだから、自分で選んで決めなさい」と突き放す親御さんがいらっしゃるんですが、やっと動きはじめたお子さんにとって、それは無理な話です。その段階になって急に支えの手を離されると子どもは困ってしまいます。再び後戻りしてしまう原因にもなりがちですので注意が必要です。

高校の学校見学や学校説明会などには、体調にも配慮しながら一緒に行ってあげるとか、願書を取り寄せるのを手伝うなどの協力は必要でしょう。つまり、お子さんが動きたい方向にそって、上手に応援してあげることが大切なのです。

不登校の子どもたちが動き出すきっかけ

不登校状態が長くなればなるほど、子どもは何かきっかけがないと動きにくくなります。とくに、体は元気になっているのに学校に行けないという状態のとき、再登校するには何かのきっかけや理由がないと行きづらいものです。行事も何もない水曜日の1時間目から行くというのは、とても大変なことだと思います。

いちばん大きなきっかけとなるのは、小学校から中学校、中学校から高校というように、学校が変わるときです。その意味で3学期の3月はとても大事な時期です。
たとえば、4月から中学校に入学する場合は、小学校の了解を得て、3月の後半にご両親で中学校に行き、あいさつがてら事情を話し、場合によっては、「理解のある担任の先生をつけていただくとありがたい」と伝えるようにします。

また、中学校から高校に進学する場合には、合格が決まった段階で「入学当初はペースがつかめないかもしれないが、配慮してほしい」とか「場合によっては、保健室にお世話になるかもしれない」といったことを伝えておくといいかもしれません。

次に再登校のきっかけとなりやすいのは、学年の変わり目です。とくにクラス替えがある場合には十分に配慮してもらいたいところです。本来なら学校側からクラス替えに際して、友だち関係などに考慮して、希望があるか否かを聞いてくるべきでしょうが、聞いてくれない学校もあるので、事前に配慮してほしいと要望を入れておくとよいでしょう。

ここで大事なのは、4月からの新しい生活がどんな感じなのか、お子さんができるだけイメージできるようにすることです。担任も変わり、クラスも変わり、教室の場所も変わってしまう状況では、いきなり行けるはずがありません。そのため、春休み中に見学に行くなどして、イメージづけのサポートをしておくことも大切です。まったく何もわからないところに行くのは、子どもにとってとても大変なことなのです。

このほか、学期の変わり目、学校行事、そして中学生の場合は、試験もきっかけになることがあります。子どもたちは「試験は嫌いだけど、試験くらいは学校にちゃんと行って受けなければいけない」と思っているので、その気持ちを上手に引き出すと、「別室でも受けられるなら行ってみようかな」というように、きっかけになることがあります。

進路の可能性は広がっている

このように、学校が変わることは大きな節目になりますが、当然、そこには進路選択という作業がかかわってきます。進路選択のときに大切なのは、たとえば、中学3年生の場合、不登校でもちゃんと公立高校の受験はできるという情報をきちんと伝えてあげることです。それが安心につながっていきます。

そして、子どもの口から志望校が具体的な学校名として出てくるようになると、子どもたちは本格的に動き出します。冬休みあたりから過去の入試問題集に取り組んだりする子もいます。志望校について注意したいのは、親のほうから勝手にレベルを下げたりしないこと。お子さんが頑張れば入れるようなギリギリ高めのところを設定することも、本人のパワーを後押しすることになるので、そうした配慮も必要です。

最近、不登校の子どもたちの進路選択に関しては、公立高校はもちろん、定時制や通信制、サポート校、高卒程度認定試験など、いろいろな可能性が広がってきています。親御さんとしても、あちらがダメだったらこちらがあるくらいに考えて、ゆったり構えて対応してあげてほしいと思います。

講演風景

ページの先頭へ