電話相談 (10時〜16時)はこちらから 03-3370-4078

セミナーのお申し込み

登進研公式サイトトップ > セミナーのご案内 > 2011年度のセミナー

セミナーのご案内

不登校・ひきこもりバックアップセミナー講演内容

2011年1月30日(日)■登進研バックアップセミナー76

不登校-“治す”のは誰なのか?

子どもの生きる力、親の支える力、専門家の支援が、どう「立ち直る力」に変わるのか

 新しい年を迎えると、「今年こそ○○しよう!」と決意される方もいらっしゃることでしょう。ところが決意したのもつかのま、三日坊主で終わってしまうと、「自分はダメな人間だ」「意志が弱い」などと自己嫌悪におちいりがちなのは大人も子どもも同じこと……。
 高校で不登校になったある男の子が、アルバイトをしようかどうしようか迷っていました。「ボクは三日坊主だから、どうせ続かない」と悩む彼に、長年よりそってきたカウンセラーはこう言ったそうです。「三日坊主っていうけど、3日も続けば立派なもんだよ」。なるほど! 考えてみれば、ずっと学校に行けず、家にひきこもっていた彼がバイトをしようと考えただけでも、ものすごい勇気です。そのうえ3日も続いたら、それは本当に「立派なもん」といえるのではないでしょうか。

 さて最近、当セミナーには、次のようなご相談が非常に増えてきました。
● 子どもにカウンセリングを受けさせたいのですが、本人が嫌がります。心療内科に行ってみようと誘っても「病気じゃないから」と拒否します。親の力だけでは限界を感じ、ぜひ専門家と会わせてあげたいと思っています。本人をその気にさせる方法はありますか。
● カウンセリングや医師の診療を受けずに、不登校が治るものなのでしょうか。
● 1年以上、親以外の誰とも会わず、家にひきこもっています。このような状況を打ち破るには第三者の介入が必要だと思うのですが、親しい友だちが来てくれても会おうとしない子どもの場合、どうしたらいいのでしょうか。
 不登校状態が続き、あれこれ手をつくしても状況が変わらないとなると、親の力だけでは限界を感じることも少なくありません。そんなときカウンセラーなど専門家の支援が大きな力となることもあります。一方で、不登校体験者の話を聞くと「カウンセリングにも病院にも行かなかった」という子どもたちがたくさんいるのも事実です。では、不登校を「治す」のはいったい誰なのでしょうか。

 今回のセミナーの第1部は「不登校―“治す”のは誰なのか?」をテーマに、長年、八王子市の教育相談室長として不登校の子どもたちに寄り添ってきた海野千細さん(八王子市教育委員会学事課長)による講演を行います。不登校を“治す”という表現に抵抗を感じる方もおられると思いますが、「そもそも不登校は治すべきものなのか?」「不登校が治るとはどういうことか?」という問いかけも含めて、あえて“治す”という言葉を使わせていただきます。
 今回の講演では、不登校を治すのは誰かと考えたとき、カウンセラーや医師など専門家の支援は不可欠なのか、親にできることは何か、さらに、子ども自身のなかに「治す力」があるのではないかといった根源的な問題にまで踏み込んで、みなさまと一緒に考えてみたいと思います。
 第2部の1問2答「支援と甘やかしの違いとは?」では、当セミナーのアンケート等に寄せられたご質問のなかから、「支援と甘やかしの違い」「不登校による学力低下への不安」「きょうだいへの影響」「進学への意欲がみられない子」「発達障害の子どもと集団生活」「サポート校の選び方」など、最近とくにご要望の多いご質問を取り上げ、4人の専門家がアドバイスします。「1問2答」は、1つの質問に2人の回答者が答えるもので、「問題を多角的にとらえることができる」「さまざまな考え方があることを知り、理解が深まる」など、毎回好評を得ている企画です。(第2部で取り上げる質問はこちらです
 回答者は、第1部の講師、海野千細さん、小澤美代子さん(さくら研究所所長)、霜村麦さん(臨床心理士)、荒井裕司(登進研代表)の4名です。第2部の最後には、参加者のみなさまがセミナーへの感想や日頃の思いを語り合う「シェア」の時間も設けます。
 第3部の個別相談では、不登校に関する心と進路の問題についてカウンセラーと専門相談員が一対一でお応えします。個別相談は事前のお申込みが必要で、先着30名様に限らせていただきますので、あらかじめご了承ください。みなさまのご参加を心よりお待ちしています。

◆プログラム

【第1部】不登校-“治す”のは誰なのか?

講師 海野 千細(八王子市教育委員会学事課長)

【第2部】1問2答「支援と甘やかしの違いとは?」

講師 小澤 美代子(さくら教育研究所所長・元千葉大学大学院教授)
  海野 千細(八王子市教育委員会学事課長)
  霜村 麦(臨床心理士)
  荒井 裕司(登進研代表)

【第3部】個別相談

ページの先頭へ

2010年12月5日(日)■登進研バックアップセミナー75

不登校-事例でわかる! こんなとき、こんな登校刺激

初期、中期、後期と子どもの状態に合わせて子どもの心を動かす上手な登校刺激とは

 前回の本セミナーでは、「体験者が語る『失敗が教えてくれたこと』」というテーマで、不登校を経験した若者と親御さんのお話を聞く機会を設けました。そのなかで、親子の間で繰り広げられたさまざまな失敗経験もさることながら、当事者の心を動かした出来事や大きな転機となった親御さんのかかわり方など、以下のような学ぶべきことが多く発表されました(詳しくは当日配付する「参考資料」をご参照ください)。

 「それまで酒で酔ったこともなく、弱味を見せたこともなかった威厳のある父親が泥酔し、『俺はおまえらのために頑張ってきたのに…』と弱音を吐き続けた日があった。それまでひとことも言わなかったが、仕事と自分の不登校のことで苦しんでいたのかと、ショックだった。それ以後、そろそろ動き出さないといけないなと思った」

 「息子は、ずっと学校に行っていないんだから、高校なんか行けるはずがないと思いこんでいたとき、友だちが一緒に定時制高校に行こうと誘ってくれた。定時制高校という道を知ったことが希望になり、動き出す兆しが見えた」

 「不登校状態のまま、高2の3月からファミリーレストランでアルバイトを始めたが、実際に動き出すきっかけになったのは、好きなことの延長線上で、自分にも受験できる大学があるという希望が見えたこと。接客のアルバイトでは対人関係に自信がつき、大学入試の面接に役立ったようだ」


 このように、子どもたちが動き出すきっかけはさまざまですが、そこには、少なから子どもたちの心を突き動かす“刺激”が介在しています。それは、親御さんの言動であったり、友だちや教師のはたらきかけであったり、やりたいことや進路に関する情報であったり…。

 ただ、上記の初めて父親の弱音を吐く姿を見た若者は、そのシーンに強いインパクトを受けながらも、すぐに動き出すことはできませんでした。おそらく、若者の心の状態が動き出せる時期にはなかったのでしょう。

 つまり、子どもたちが動き出すことを促す“刺激”やはたらきかけは、子どもたちがどんな状態にあるかを正しく把握し、その状態に合ったものでなければ、あまり意味のないものになってしまいます。

 そこで、今回のセミナーの第1部は、登校刺激に関する研究の第一人者、小澤美代子さん(さくら教育研究所所長・元千葉大学大学院教授)を講師にお招きし、「不登校ー事例でわかる! こんなとき、こんな登校刺激」というテーマで行います。小澤さんが開発された「状態像チェックリスト」を使いながら、不登校状態の「初期」「中期」「後期」と、それぞれの段階にある3つの事例を提示していただき、その子の状況に合った登校刺激を行うことによって、どう事態が打開されたのか。逆に、状況に合わない不適切な登校刺激をすることで、どう事態を悪化させることになったのかなど、実践的にお話をしていただきます。不登校の子どもたちが、もっとも動き出すきっかけとなることの多い進路選択の時期を迎え、タイムリーで効果的な背中の押し方をご一緒に考えてみたいと思います。
 第2部は、学齢別グループセッション「いま直面する問題を話す・聴く・質問する」です。毎回、みなさまにご協力いただいているアンケートには、「小学生、中学生、高校など、学年や年齢が近いお子さんの親御さんと話し合う機会を設けてほしい」といった要望が多く寄せられています。そうした声にお応えするために、小学生、中学生、高校生とそれ以上、発達障害など、お子さんの学齢と個性に合わせたグループに分かれて、講演内容に関する感想やお互いに抱えている悩み、思いを分かち合う時間を設けます。そして、グループごとに共通の質問や疑問、悩み、進路選択の時期だからこそ聞きたいことなどを2項目にまとめていただき、最終的にこれらの質問や疑問に対して、第1部の講師である小澤美代子さん、霜村麦さん(臨床心理士)、荒井裕司(登進研代表)の3名の講師が回答するという流れで進めます。
 第3部個別相談では、不登校に関する心と進路の問題について、カウンセラーと専門相談員が一対一でお応えします。個別相談は事前のお申込みが必要で、先着30名様に限らせていただきますので、あらかじめご了承ください。みなさまのご参加を心よりお待ちしています。

◆プログラム

【第1部】不登校-事例でわかる! こんなとき、こんな登校刺激

講師 小澤 美代子(さくら教育研究所所長・元千葉大学大学院教授)

【第2部】学齢別グループセッション「いま直面する問題を話す・聴く・質問する」

講師 小澤 美代子(さくら教育研究所所長・元千葉大学大学院教授)
  霜村 麦(臨床心理士)
  荒井 裕司(登進研代表)

【第3部】個別相談

ページの先頭へ

2010年10月23日(土)■登進研バックアップセミナー74

不登校-体験者が語る「失敗が教えてくれたこと」

失敗したっていいじゃない! 本音でぶつかることで子と親は出口に向かって歩き始める

 登進研バックアップセミナーでは、これまで不登校を経験した若者やご両親のお話を聞く機会をたびたび設けてきました。そのなかで、わが子の不登校をめぐって転校や引越しなどさまざまな試行錯誤をくり返したお母さんの、次のような言葉が印象に残っています。

 「いま考えると、私がお膳立てしたことはすべてうまくいかなくて、逆に子どもが自分で決めたことは最後までやり通しています。口には出さなくても、今日は行くかしら、明日は…とばかり思っていたので、子どもに『お母さんは、行け行けオーラが出ている』と言われていました」

 こうした経験をへて、このお母さんが行き着いたのは、「子どもに期待しすぎないこと。心配しすぎないこと。そして、子どもを見捨てないこと。ぶつかってもいいから、互いの思いを全部出してしまったほうがいい。その衝突がないと、事態は打開できないような気がします」という結論でした。

 もうひとり、「いい高校、いい大学、いい会社に入れば息子は幸せになる」と信じていたお母さんは、「入ってしまえばラクだからと息子をだまして」小4から受験塾に通わせ、有名私立中学に入学させました。

 しかし、入学後も塾通いをする同級生の姿に愕然とし、疲れきって不登校になったわが子を見て、「自分の価値観は変わらないけれど、それを子どもに押しつけてはいけない。子どもには子どもの人生があり、それを親が壊してはいけないな、と思いました」とふり返っています。

 このように、わが子の不登校を経験した多くのお母さんお父さんは、たくさんの“失敗”を積み重ねています。子どもを愛すればこそ、心配だからこその“失敗”です。

●そこで今回の【第1部】は、不登校を経験した若者と親御さんをゲストに迎え、「不登校—体験者が語る『失敗が教えてくれたこと』~失敗したっていいじゃない! 本音でぶつかることで子と親は出口に向かって歩き始める」というテーマで行います。
「こんなこと言わなければよかった」「しなければよかった」と失敗と後悔をくり返すなかで、親と子はなにを学び、絆を深めていったのか。その経験に耳を傾けたいと思います。
ゲストに加え、助言者として、不登校の相談に長年携わってきた木津秀美さん(富士見市教育相談研究室室長)、20年余にわたり不登校の子どもたちを見守ってきた荒井裕司(登進研代表)、司会は、齊藤真沙美さん(世田谷区教育相談室心理教育相談員)に務めていただきます。

●【第2部】は、進路講座「立ち直りを重視した進路選択を考える」です。
この時期、そろそろ進路のことが気になりはじめたお母さんお父さんも多いことでしょう。そこで第2部では、①動き出せないまま高校受験を迎えたとき、②決め手となる入学後のサポート態勢、③発達障害の子どもの進路に迷ったとき、という3つの視点から、具体的な事例を通して「不登校からの立ち直り」に焦点を当てた進路選択を考えてみたいと思います。講師は、木津秀美さん、齊藤真沙美さん、荒井裕司の3名です。

●第2部の最後には、不登校経験をもつミュージシャン・菊田彰彦さんに、いま不登校の渦中にある子どもたちへのエールとして歌をうたっていただきます。昨年の出演時にも「涙がとまらない」「もう一度聞きたい」と大好評だった美しく澄みきった歌声を、ひとりでも多くの方々に聞いていただきたいと思います。

●【第3部】の個別相談では、不登校の心と進路の問題について、カウンセラーと専門相談員が一対一でお応えします。なお、個別相談は、事前に申し込みをいただいた方のうち先着30名様に限らせていただきますので、あらかじめご了承ください。
みなさまのご参加を心よりお待ちしています。

◆プログラム

【第1部】不登校-体験者が語る「失敗が教えてくれたこと」

ゲスト 不登校を経験した若者と親御さん
助言者 木津 秀美(富士見市教育相談研究室室長)
荒井 裕司(登進研代表)
司会 齊藤 真沙美(世田谷区教育相談室心理教育相談員)

【第2部】進路講座「立ち直りを重視した進路選択を考える」

講師 木津 秀美(富士見市教育相談研究室室長)
  齊藤 真沙美(世田谷区教育相談室心理教育相談員)
  荒井 裕司(登進研代表)

【第3部】個別相談

ページの先頭へ

2010年9月12日(日)■登進研バックアップセミナー73

不登校-親として受けとめられなくなったとき

親だって神様じゃない! ときには爆発しそうになる気持ちをどうすればいいのか?

 前回のセミナーでは、アンケートでのご質問のほか、第1部の講演後にも多くのご質問をいただきましたが、そのすべてにお答えすることはできませんでした。そこで、あらためて前回のご質問に目を通したところ、共通の悩みを抱えている親御さんがたくさんおられることがわかりました。そのうちのいくつかを紹介させていただきます。

 「不登校が長期化してくると、子どもを受けとめるのが難しく、逆に、子どもの感情に巻き込まれて、よけいに追い込んでしまうことがあります」

 「親も神様ではないので、ときには感情が爆発することだってあります。しかし、そのたびに親としての自分を責めて、自信をなくしてしまいます」

 「仕事に出ている時間や、友人と会っている時間は気分転換ができますが、家に帰ると不安感やイライラから気持ちがふさいでしまいます。自分のせいで、息子は立ち直れないんだと責めてしまいます。こんな自分を変えるには、どうしたらよいのでしょうか」

 「自分自身の気持ちが不安で不安で、子どもを励ますどころか余計に不安にさせてしまいます。『あなたはあなたのままでいいよ』と思っても、家の中で一日中、ネットやオンラインゲームをしているのを見ると、ついカッとなってしまいます」

 いずれも、親としての正直な気持ちがつづられています。そのほか、「もう子どもを愛せなくなってきました。そんなことではいけないと思いつつ、どうしようもない自分がいます」という悩みもありました。
子どもを理解しようと思いながらも、顔を見るとイライラしてしまう。そんな親としての葛藤をどう考え、どう解決していけばいいのでしょうか。それが今回のメインテーマです。

*        *        *

 【第1部】は、 「不登校—親として受けとめられなくなったとき~親だって神様じゃない! ときには爆発しそうになる気持ちをどうすればいいのか?」をテーマに、不登校の相談に長年携わってこられた
今村泰洋さん(東京都教育相談センター主任教育相談員)の講演を行います。複雑な問題をわかりやすく解説してくださる今村さんの講演は、毎回大好評。豊富な相談経験から、どんなアドバイスをしていただけるか楽しみです。

 【第2部】は、前回のご質問のなかから、多くの親御さんに共通する悩みや疑問を取り上げ、専門家が回答する「先の見えない不安を支える1問1答」です。
「カウンセラーなど第三者との接点をどうつくるか」「進路選択や転入に向けた親のサポートのあり方」「ネットやゲーム依存の問題」「発達障害の子どもが不登校になったとき」など、11の質問を取り上げます。
回答者は、小澤美代子さん(さくら教育研究所所長)、霜村麦さん(臨床心理士)、荒井裕司(登進研代表)。司会は、斎藤真沙美さん(世田谷区教育相談室心理教育相談員)です。第2部の最後には、参加者のみなさまが互いにこのセミナーの感想や日頃の思いを語り合う「シェア」の時間も設けます。

 【第3部】個別相談では、不登校の心と進路の問題について、カウンセラーと専門相談員が一対一でお応えします。なお、個別相談は、事前に申し込みをいただいた方のうち先着30名様に限らせていただきますので、あらかじめご了承ください。

みなさまのご参加を心よりお待ちしています。

◆プログラム

【第1部】講演「不登校-親として受けとめられなくなったとき」

講師 今村泰洋(東京都教育相談センター主任教育相談員)

【第2部】「先の見えない不安を支える1問1答」

回答者 小澤 美代子(さくら教育研究所所長)
霜村 麦 (臨床心理士)
荒井 裕司(登進研代表)
司会 齊藤 真沙美(世田谷区教育相談室心理教育相談員)

【第3部】個別相談

ページの先頭へ

2010年6月13日(日)■登進研バックアップセミナー72

不登校-待っていれば自然に“治る”のか? !

親なら誰でもぶつかる疑問や難問に不登校研究の第一人者が明快なアプローチ

 寒くもなく、暑くもなく、1年のなかでもっともすごしやすい季節となりました。まぶしい緑に包まれた公園では、5月のさわやかな風に若葉が静かに揺れ動いています。 さて、新学期から1カ月が過ぎ、連休中に疲れが一挙に出て、連休明けから学校に行けなくなってしまったというお子さんは、少なくありません。あるいは、新学期からようやく再登校できるようになったのに、連休明けからまたエネルギー切れのような状態になってしまったお子さんもいらっしゃることでしょう。五月晴れや新緑の爽快感とは裏腹に、「家の中が重苦しい雰囲気になっている」と感じていらっしゃる親御さんも多いかもしれません。

 本セミナーでは毎回、参加者のみなさまから多くのアンケートが寄せられています。数千件にも及ぶアンケートからは、お子さんの不登校に直面した多くの親御さんが、「なぜ?」「どうして?」と感じる疑問や難問と思われるテーマが浮かびあがってきます。そうした疑問や難問は、「不登校をどう考えたらいいのか」ということだけではなく、「子どもが何を考えているのか」「自分の将来をどう思っているのか」や「親としてどうすればいいのか」など、不登校の解決に結びつく本質的な問題を含んでいるように思います。

*        *        *

 そこで今回のセミナーは、「不登校―待っていれば自然に“治る”のか?親なら誰でもぶつかる疑問や難問に不登校研究の第一人者が明快なアプローチ」というテーマで行います。おそらく多くの親御さんが、不登校のお子さんに対して抱く疑問や難問を5つのテーマに集約し、本研究会の発足当初から講師としてご協力をいただいてきた小林正幸さん(東京学芸大学教職大学院教授)にお聞きします。 5つのテーマは以下の通りです。①なぜ、不登校は長期化するのか? ②なぜ、不登校には原因がわからないことが多いのか? ③なぜ、不登校の子どもはプライドが高いのか? ④不登校は待っていれば自然と“治る”のか? ⑤不登校の子どもにとって親とは何か? 聞き手は霜村麦さん(臨床心理士)にお願いします。第1部の締めくくりとして、お子さんの不登校によって、「自分たちの価値観が全否定され、育て方がまちがっていたのではないか」と自分を責めることの多いお父さん、お母さんに向けて、お二人からメッセージが送られます。

 第2部は、「不登校なんでも相談室」PART4として、「『学校をやめたい』と言われたとき」というテーマで行います。進級や進学という節目をきっかけとして、再登校したのに再び行けなくなったり、中学校や高校への進学後、新しい環境になじめず、学校に足が向かなくなったりすると、「この学校は自分に合わない」「学校をやめたい」と思う子どもたちが少なくありません。そうした場合、親御さんとしてはどんなことに配慮し、どんな対応をしたらいいのかについて、心理的なサポート面を含めて、学校をかえること、つまり転入や編入をどう考えるべきかについて、実践的なアドバイスと情報を提供したいと思います。

 そこで、第2部では、「学校をやめたい」「学校をかえたい」といった状況で悩んでいるみなさまからのご質問を募集します。お寄せいただいたご質問にお答えするかたちで進行します。回答者は、斎藤真沙美さん(世田谷区教育相談室心理教育相談員)、池亀良一さん(代木カウンセリングセンター所長)、荒井裕司(登進研代表)、そして、第1部で聞き手を務めていただいた霜村麦さんにも加わっていただき、発達障害の子どもたちのケースについても、ご一緒に考えてみたいと思います。

 第3部はいつものように個別相談を行います。不登校に関する心と進路の問題について、カウンセラーと専門相談員が一対一でお応えします。個別相談は事前のお申込みが必要で、先着30名様に限らせていただきますのであらかじめご了承ください。また、今回人数制限にもれた方のご相談については、後日、当研究会の連携機関、代木カウンセリングセンター(03-3370-6775)で対応させていただきますので、お気軽にお問い合わせください。みなさまのご参加を心よりお待ちしています。

◆プログラム

【第1部】講演「不登校-待っていれば自然に“治る”のか?!」

講師 小林正幸(東京学芸大学教職大学院教授)

【第2部】不登校なんでも相談室「学校をやめたい」と言われたとき

回答者 齋藤 真沙美(世田谷区教育相談室心理教育相談員)
霜村 麦 (臨床心理士)
池亀 良一(代々木カウンセリングセンター所長)
荒井 裕司(登進研代表)

【第3部】個別相談

ページの先頭へ